岡山大学 Alumni(全学同窓会)
グローバル人材育成支援事業 グローバル人材自己啓発奨励金事業 体験レポート
岡山大学教育学部学校教育教員養成課程2年
河田真優
活動の概要
私は、大学 2 年生の夏休みに CEC の海外ボランティア活動でフィリピンのセブ島に行きました。セブ島はリゾート地で日本人にも人気の観光地ですが、貧困地域も多く、問題になっている場所です。墓地スラムや山村集落、ゴミ山等に住む子どもたちと実際に関わることを通して現地の子どもたちの実態や住んでいる地域の環境をみることができました。そしてセブに住む大学生のバディや子どもたちとの関わりを通して、コミュニケーションツールとしての英語の重要性を改めて実感できました。
主な活動先
・mountain slam
もともとは山の下の街に住んでいましたが政府の開発によって退去させられたそうです。現地の子どもたちは物を欲しがり、やんちゃな子も多かったです。子どもの中にはカーストがあるようでもらったものを取られていました。特に学校で使うペンやノートが高くて買えないようで欲しがっていました。あまり言葉を発さず、コミュニケーションが取りづらい子もいました。家賃は月 1600 ペソくらいで、電気は通っていました。簡易的な家具や食器もあり、それは日本人からの寄付だそうです。日本からの寄付が生活の大きな支えになっているとお っしゃっていました。
・Chinese seminary
かつて中国人が立てたお墓にあるスラム地域でした。家賃は無料ですが電気が通っておらず、雨が降ると部屋が浸水するため家の外で寝ることもあるそうです。ガス代が高くて払えないため、近くのお店で食料を買うそうです。稼ぎが一日 10 ペソ程度のため、その日の食費を確保するので精一杯のようでした。
・tejero elementary school
もともとスラムにいて CEC の援助を受けて通っている子どもたちの活動に参加しました。スラムにいる子たちは将来の夢がなく、ノートやペンを買うお金がないです。しかし、この学校に通う子たちは教師や医者などの夢を持っていて勉強するための設備(エアコンや机)も充実していました。穏やかな性格の子たちが多く、子ども同士で遊んだり話したりと日本の子どもたちと似ていました。教育を受けることができれば子どもたちの未来は明るくなるのではないかと実感しました。
活動を通して感じたこと
私自身、今まで海外に行ったことがなかったので初体験の連続でした。今まで学校の授業やLcafe でのレッスンで簡単な英会話をするくらいで、英語力に自信がなかったのではじめは自分から子どもたちとコミュニケーションをとる勇気が出ませんでした。ボランティアの現場でも立ちつくしていました。でも、活動先の子どもたちは私の目をまっすぐ見て、手を握ってくれました。町の方たちも笑顔で手を振ってくれました。全く知らない外国人をこんなに温かく迎え入れてくれるのだなと感動したのを今でも覚えています。スラムで暮らしている子どもたちはたしかに貧しく、勉強や遊びに飢えているけれど、毎日を楽しくそして幸せそうに過ごしていました。そして言語の壁を恐れず、人とつながることを恐れず、疑いのない純粋な目で見つめてくれました。私がセブアノ語の自己紹介を全然覚えられず苦戦していると、子どもたちが優しく手を握って何度も教えてくれました。“one more!…OK, one more!”と諦めず私を信じてくれました。自分の臆病さが不甲斐なかったです。コミュニケーションをとるうえで大切なのは相手を知ろうとする気持ち、そして信じることだと実感しました。それが目や表情、身振り手振りに現れると分かりました。しかし一方で、活動の中でもっと英語をスムーズに使えたらこの子たちが思っていることや願いをもっとくみ取ることができるのになと感じる瞬間が多くありました。この活動に参加するまでは英語を勉強する理由が英語の教師になるためという目標のための手段でしたが、この活動で子どもたちはどんなことを考えながら生活しているのか、この子たちともっとつながりたい、といったような「人とつながる」ために英語をスキルアップさせたいという気持ちが芽生えました。次はもっと深く子どもたちと関われるように実践的な英語力を身につけていきたいです。